白根(新潟県)(読み)しろね

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白根(新潟県)」の意味・わかりやすい解説

白根(新潟県)
しろね

新潟県の中央にあった旧市名(白根市)。現在は、新潟(にいがた)市の南部(南(みなみ)区の一部)にあたる。1955年(昭和30)白根町と新飯田(にいだ)、庄瀬(しょうぜ)、臼井(うすい)、大郷(だいごう)、鷲巻(わしまき)、根岸(ねぎし)、小林、茨曽根(いばらそね)の8村が合併、1959年市制施行。2005年(平成17)白根市は新津(にいつ)市、豊栄(とよさか)市、小須戸(こすど)町、横越(よこごし)町、亀田(かめだ)町、西川(にしかわ)町、岩室(いわむろ)村、味方(あじかた)村、潟東(かたひがし)村、月潟(つきがた)村、中之口(なかのくち)村とともに新潟市に編入信濃(しなの)川と中ノ口川に挟まれた白根島郷(ごう)の中心都市。国道8号、460号が通じる。旧市域は信濃川三角州の東半を占める州島(すじま)地形で、近世初期までは白蓮(びゃくれん)潟をはじめとする大小の沼沢地が残った低湿地。川沿いの自然堤防上には戦国落武者の開拓による新田村が発生した。近世は新発田(しばた)藩領に属し、沼沢地の干拓が進められ、明治末期に下流の大郷川揚排水機場が完成されてから蒲原(かんばら)穀倉地帯の代表的米どころとなり、年間2万トン以上の米産をあげている。また果樹栽培が盛んで、とくに茨曽根・新飯田地区は越後(えちご)ナシ、ブドウ、モモの県下の三大産地の一つになっている。中心の白根地区は中ノ口川舟運の河岸場(かしば)町として発生し、定期市場町として栄えた。古くは鎌(かま)、仏壇木綿縞(じま)の産地として知られ、例年6月初旬に行われる大凧合戦(おおだこがっせん)は両岸の村々の築堤争いから始まったものという。畳24枚大の大凧を両岸から揚げて絡み合わせ「ワッセ、ワッセ」と掛け声勇ましく引き合う姿は勇壮である。

[山崎久雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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