白白(読み)シラジラ

デジタル大辞泉 「白白」の意味・読み・例文・類語

しら‐じら【白白】

[副]《「しらしら」とも》
夜が明けて、だんだん明るくなっていくさま。「白白と夜が明ける」
色の白いさま。また、白く見えるさま。「闇にくちなしの花が白白(と)浮かぶ」
平気でしらばくれたり、見え透いたことを言ったりするさま。「白白と言い訳をする」
興ざめなさま。「慇懃いんぎん無礼な扱いに白白とした気持ちになる」
[類語](2真白い真っ白い白い白白しろじろ白っぽい真っ白け真っ白生白いほの白い雪白せっぱく雪白ゆきじろ皚皚がいがい雪を欺く純白白色白妙しろたえ乳色乳白色ミルク色灰白色象牙色ホワイトオフホワイトアイボリー蒼白そうはく白白しい白皙はくせき色白白面白地しらじ白地しろじ

しろ‐じろ【白白】

[副]
いかにも白く見えるさま。「白白(と)続く雪原
夜がしだいに明けていくさま。しらじら。「東の空が白白と明るくなる」
[類語]白い白っぽい真っ白い真っ白け真っ白生白い仄白い皚皚がいがい雪を欺く真白い白白しらじら雪白せっぱく雪白ゆきじろ純白白色白妙しろたえ乳色乳白色ミルク色灰白色象牙色ホワイトオフホワイトアイボリー蒼白そうはく白白しい白皙はくせき色白白面白地しらじ白地しろじ

はく‐はく【白白】

[ト・タル][文][形動タリ]
白いさま。「白白たる雪山」
明らかなさま。疑う余地のないさま。「白白たる証拠」「明々白白

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「白白」の意味・読み・例文・類語

しら‐じら【白白】

〘副〙 (古くは「しらしら」。多く「と」を伴って用いる)
① 夜がしだいに明けてゆくさまを表わす語。
今昔(1120頃か)三一「今は百町許は来ぬらむと思ふ程に、夜白々と成ぬ」
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一四「と云ふうちに夜もしらしらと明け離れましたから」
② 色の白いさまを表わす語。
御伽草子・はにふの物語(古典文庫所収)(室町中)「雪のいとしらしらとふりたりけるをりふし
※俳諧・冬の日(1685)「しらじらと砕けしは人の骨か何〈杜国〉 烏賊はゑびすの国のうらかた〈重五〉」
③ はっきりしているさまを表わす語。
※歌謡・閑吟集(1518)「面影ばかりのこして、あづまのかたへくだりし人の名は、しらしらといふまじ」
④ せせら笑うさま、あざけり笑うさまを表わす語。
※浮世草子・武道伝来記(1687)七「いらざる所に念を入て問返すに、女ばうしらしらと打笑ひ」
⑤ しらじらしいさま、興ざめがするさまを表わす語。
※山谷詩集鈔(1647)一四「貧至骨どもちともしらしらともせぬぞ」
⑥ 気持が静まるさまを表わす語。
潮風(1920‐21)〈里見弴〉一〇「もちまへの、淋しい顔つきを、一層白々(シラジラ)と沈ませて」
しらじら‐げ
〘形動〙
しらじら‐さ
〘名〙

しらじら‐し・い【白白】

〘形口〙 しらじらし 〘形シク〙 (古くは「しらしらし」)
① 白く見える。しろじろとしている。明らかである。
※重之集(1004頃)「よそにふるものとこそ見め白雪のしらじらしくもおもほゆるかな」
※和漢朗詠(1018頃)下「しらしらししらけたるとし月光に雪かきわけて梅の花をる」
② はっきりとわかる、明白である。
※俳諧・誹諧之連歌(飛梅千句)(1540)第一「しらしらしくぞよそにしらるる くろぢくの筆にてかける文もうし」
③ 興ざめの感じである。
※平中(965頃)三六「そこに、久しく馬に乗りながら、立てらむことの、しらしらしければ」
④ 知っていながら知らないふりをするさまである。しらばくれている。そらぞらしい。また、はっきりいつわりとわかる様子である。
※足利本論語抄(16C)述而第七「同姓不娶ら者のあるを、昭公娶呉之女を呉姫と名くれば、余しらしらしいほどに呉孟子と云也」
歌舞伎霊験曾我籬(1809)序幕「何の事とは白々(シラジラ)しい。色よい返事を」
しらじらし‐げ
〘形動〙
しらじらし‐さ
〘名〙

しろ‐じろ【白白】

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 目立って白いさま、いかにも白く見えるさまを表わす語。
※枕(10C終)補遺月影ばかりはしろじろとうつりて見えたる」
仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下「四条通室町にて夜が明け、人の面もしろじろと見えけり」
② 夜が、次第に明けてゆくさまを表わす語。しらじら。
二人稚児(1918)〈谷崎潤一郎〉「長い秋の夜がしろじろと明るくなって」

はく‐はく【白白】

〘形動タリ〙
① 色の白いさま。また、白く輝いて美しいさま。
新編覆醤集(1676)一・春朝口号「白々芬々梅発葩、青々々草生芽」 〔韓愈‐感春詩〕
② (多く「明明白白」の形で用いて) 明らかでくもりのないさま。疑いもなく正しいさま。

しらけ‐しらけ【白白】

〘副〙 興ざめなさま、また、気まずくて、ぐあいの悪くなるさまを表わす語。
※愚管抄(1220)六「浄土寺の二位もしらけしらけとしてやみにけり」

しろ‐しろ【白白】

〘名〙 変態的な見世物の一種で、女性の同性愛をショー化したもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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