食の医学館 「白髪(白毛症)」の解説
しらがはくもうしょう【白髪(白毛症)】
《どんな病気か?》
〈髪の色素をつくる細胞の機能低下で起こる〉
白髪(しらが)は老化現象の1つで、髪の色素をつくる細胞の数が減ったり、その働きが低下することによって起こります。
紫外線の浴びすぎや、血行不良、髪に必要な栄養素が不足するとさらに進行します。
若白髪の場合は遺伝的傾向が強く影響しますが、ストレスも頭皮(とうひ)の血行を悪くし、進行を早める一因となります。
《関連する食品》
〈細胞の再生を促進し、健康な髪をつくるビタミンB2〉
○栄養成分としての働きから
白髪の予防には、ビタミンB2やビオチン、パントテン酸などのビタミンB群が有効に働きます。
ビタミンB2は、細胞の再生をうながし、健康な髪をつくるビタミンで、ウナギやレバー、サバ、サケなどに多く含まれています。
ビオチンも、健康な髪や皮膚を保つのに欠かせません。不足すると、疲れやすくなる、憂うつになるなどの症状が現れ、同時に白髪になったりします。レバー、イワシ、ピーナッツ、たまごなどに多く含まれています。また、腸内細菌によってもさかんに合成されているので、便秘しないよう整腸作用のある食品をとるよう心がけましょう。
レバー、納豆、サケ、イワシに多く含まれるパントテン酸は、免疫力(めんえきりょく)やストレスに対する抵抗力をつけるビタミンで知られ、動物実験ではパラアミノ安息香酸(あんそくこうさん)(PABA)といっしょにとると、白くなりかけた髪を黒くする働きがあるといいます。
パラアミノ安息香酸というのは、やはりビタミンB群の仲間で、葉酸(ようさん)をつくる構成成分です。パントテン酸の吸収を高める働きがあるほか、紫外線から髪や皮膚をまもってくれるので、シワなど肌の老化にも有効です。パラアミノ安息香酸は、レバー、牛乳、たまご、玄米(げんまい)に多く含まれています。
○漢方的な働きから
なお漢方では、天日干しにしたツルドクダミの根が、白髪の予防薬として古くから用いられています。
用法はツルドクダミの根を2週間ほど乾燥させます。細かく刻んで茶葉として使ってみましょう。