白鳥処女伝説(読み)はくちょうしょじょでんせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白鳥処女伝説」の意味・わかりやすい解説

白鳥処女伝説
はくちょうしょじょでんせつ

異類婚姻譚の一つ。天界から飛来した白鳥が,女人の姿となり,水辺で羽の衣を脱いで水浴するうち,それを盗み見た男が羽の衣を隠す。そのため女人はもとの白鳥へ戻ることができず,やむをえずその男の妻となり,子をもうけるが,ある日,ふとしたことで男の隠した羽の衣を見つけ,再び白鳥となって天界へ去るというもの。伝承地によっては白鳥ではなく,ほかの鳥もしくは獣となっている例もある。日本においては羽衣伝説にみられるとおり,天女の姿をとるものが一般的である。分布はアジア,ヨーロッパアラブ,北アメリカ,アフリカなど,広く世界諸民族にわたる。日本では『常陸国風土記』など多くの文献みえ,また『千一夜物語』や中国の『捜神記』など世界各地の文献にもみえるが,最古の例はインドの『リグ・ベーダ』に描かれたものとされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白鳥処女伝説」の意味・わかりやすい解説

白鳥処女伝説
はくちょうしょじょでんせつ

羽衣伝説

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android