精選版 日本国語大辞典 「的」の意味・読み・例文・類語
てき【的】
まと【的】
いくは【的】
ゆくは【的】
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弓術や射撃の練習・競技にあたって目標として立てる器具。的にはいろいろの種類があり,まず静止的と運動的とに大別される。静止的には標的,戦闘射撃的,落下的などの種類がある。標的は木製または厚紙製の平板で,たいていは白地の中央に黒円があり,その周囲に数個の同心円を描き,それぞれ点数が記してある。中心円の上下に縦線を引いた標的もあり,この線を的としていわゆる縦線射撃をおこなう。弓術ではもっぱら標的を使用する。戦闘射撃的には歩兵の絵が描かれ,頭的,胸的,膝(ひざ)的,全身的の区別がある。落下的は弾(たま)が命中すると台から落下する。運動的には空中射撃用,地上射撃用,海上射撃用などがあり,空中射撃の的には放鳥とクレー・ピジョン(粘土の鳩)が用いられる。生鳥とクレーとでは価格がひじょうにちがうので,今日のクレー射撃競技ではクレーを使うが,これは濠(ごう)の中にすえつけたトラップで放出したり,別に高塔を設けてその塔上から放出する。地上射撃には,機械装置によって地上を左右に運動する的があり,多くは野獣の形が用いられる。海上射撃では水上を曳航(えいこう)される的を船上あるいは海岸から射撃する。
→アーチェリー →射撃競技
執筆者:妹尾 幹
弓矢の的には鍛錬用と歩射(かちゆみ)/(ぶしや)用,騎射(うまゆみ)用の別がある。射法を鍛錬するためには〈つくら〉といって〈ねこがき〉または〈ねこた〉という織り方のむしろを巻いて作り,台の上にすえて小口を射るのを例とした。江戸時代には〈つくら〉がすたれ,藁をたばねて縄を巻いてくくった巻藁になり,さらにはこの巻藁を桶のなかに入れたものもできた。歩射は普通の的矢と,小型の蟇目(ひきめ)をつけた四目(しめ)または神頭(じとう)の矢によって相違する。普通の的矢の的は径1尺2寸(約36cm)とし,表面に円輪を描いて,その輪を大眼・小眼などという。遠距離に用いるのを大的とし,径5尺2寸でヒノキの〈へぎ〉を組んで作り,表に紙をはって円輪を描き,外輪の所に3ヵ所,蟬(せみ)とよぶ木製の根をつけ,これにひもをかけて鳥居形の的串(まとぐし)につるして用いた。神頭の矢は円物(まるもの)または〈ぶりぶり〉を的とする。円物は球形の二つ割りに似た形状による名称で,円形の板を白革包みとし,なかに綿を入れて中央を高くふくらませて矢だまりとし,表面正中に星とよぶ黒点を描き,裏面3ヵ所に乳(ち)をつけて綱を通して鳥居形にかける。〈ぶりぶり〉は円物に似て小さく,乳を2ヵ所として鳥居形につるした形状が遊戯の毬杖(ぎつちよう)の〈ぶりぶり〉によく似ているためによばれた。四目の矢も円物や草鹿(くさじし)を的とした。草鹿は,草に鹿の伏した形をヒノキの板を心として白革で作り,栗色塗として斑文の星を白く出して矢あてとし,裏に乳を4ヵ所つけて鳥居形にかけた。騎射の的は流鏑馬(やぶさめ)に笠懸(かさがけ)と挟物(はさみもの)がある。流鏑馬の的は径1尺8寸の方形のヒノキの板的で竹串にはさんで立て,笠懸は射手の綾藺笠(あやいがさ)をかけて的としたのを形式化し,1尺8寸円の革的を鳥居形にかけるのを例とした。挟物は時に応じて,沓(くつ),足半(あしなか),鼻紙,扇,団扇,土器,木の葉の類を竹串にはさんで的とした。
→弓道
執筆者:鈴木 敬三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
弓を引くときなどに目標として置くもので、木板、紙、革、布を使用し、さまざまな形や大きさのものがある。古く朝廷において射礼(じゃらい)に用いた的は、2尺5寸(約76センチメートル)の円形板材に内より内院(内規)、中院(中規)、外院(外規)と三重の輪を黒く描いたもので、後世これを一の黒、二の黒、三の黒とよぶようになった。また、騎射には1尺8寸(約54センチメートル)の方形的を用いた。さらに武家社会のなかで弓射諸式が整備されるに及んでさまざまな形式のものが用いられるようになった。まず大的(おおまと)は径5尺2寸(約158センチメートル)のヒノキまたはタケの薄板を網代(あじろ)に組み、紙を張ったもので、大的の半分径のものを半的という。また、1尺2寸(約36センチメートル)以下の径のものを小的(こまと)という。そのほか径8寸(約24センチメートル)の板を革で包み中に毛を入れやや膨らみをもたせた丸物、丸物を小型(3、4寸=約10センチメートル)化した振々(ぶりぶり)(布利布利)や、扇、紙、木の葉、沓(くつ)、貝などを串(くし)に挟んで標的とする挟物(はさみもの)、さらに鹿(しか)形を射る草鹿(くさじし)などがある。流鏑馬(やぶさめ)、笠懸(かさがけ)の的も一種の挟物である。犬追物(いぬおうもの)は馬上から逃げ惑う犬を的として射る。
なお現代の弓道競技における的は、近的(きんてき)競技では1尺2寸の星的または霞的(かすみまと)が使用され、遠的(えんてき)競技では径1メートルの霞的を使用するのが一般的である。射撃競技やアーチェリーの的についてはその項目を参照されたい。
[入江康平]
…また最近では,〈美容〉という言葉を化粧と同義に用いることもあるが,これは化粧だけでなく,化粧の予備行為を含んでいる。
【文化人類学から見た化粧】
[文化的機能]
化粧は本来,人間にとって最も普遍的,かつ原初的な装身行為であり,未開社会においてはひじょうに重要な文化要素の一つである。衣服を身につけない裸族や,衣服にほとんど関心を払わない民族においても,祭りには顔や体に色を塗るし,また日々食べるものにも事欠く極端に貧しい社会でも,人々は化粧に時間を費やす。…
※「的」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...
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