直木孝次郎(読み)なおき こうじろう

知恵蔵mini 「直木孝次郎」の解説

直木孝次郎

日本の古代史学者。1919年1月30日、兵庫県生まれ。43年に京都帝国大学(現・京都大学)を卒業後、大阪市立大学、岡山大学などの教授歴任戦前の歴史観の原典となった日本書紀古事記に頼らない実証的な古代史研究に取り組み、新たな見解を数多く発表した。64年には、古墳時代に大和地方(奈良県)から河内地方(大阪府)への政権交代が起こったとする「河内政権論」を提唱し、注目を集めた。大阪市の難波宮(なにわのみや)跡を始めとする遺跡の保存にも尽力し、89年に大阪文化賞を、2003年に井上靖文化賞を受賞した。19年2月2日、死去。享年100。主な著書に『日本古代国家の構造』『日本古代の氏族天皇』などがある。

(2019-2-19)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「直木孝次郎」の解説

直木孝次郎 なおき-こうじろう

1919- 昭和後期-平成時代の日本史学者。
大正8年1月30日生まれ。大阪市立大,岡山大,相愛大,甲子園短大の教授を歴任。専攻は古代史。続日本紀(しょくにほんぎ)研究会の創設に参加,律令国家成立過程を研究。古代大阪の歴史的研究と難波宮跡保存運動などで平成元年大阪文化賞。16年井上靖文化賞。兵庫県出身。京都帝大卒。著作に「日本古代の氏族と天皇」「日本古代国家の成立」など。

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