直視分光器(読み)チョクシブンコウキ

デジタル大辞泉 「直視分光器」の意味・読み・例文・類語

ちょくし‐ぶんこうき〔‐ブンクワウキ〕【直視分光器】

短焦点のコリメーターレンズ直視プリズムまたは小型の回折格子を用いた分光器。手持ちで利用できる携帯型のものが多く、理科教育や宝石鑑定に用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「直視分光器」の意味・わかりやすい解説

直視分光器
ちょくしぶんこうき

直視プリズムを用いた分光器。手持分光器ともいう。普通、長さ10センチメートル程度の筒状で、固定あるいは調整できるスリットと短焦点のコリメーターレンズおよび3ないし5個構成のプリズムからなっている。は直視プリズムを示し、中心のD線がプリズム底辺に平行に入射し射出する状況を示す。C線、F線はその左右に偏り分散される。プリズムに接近した目がカメラレンズの役割を果たし、網膜上にスペクトル結像する。

[中島篤之助]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「直視分光器」の意味・わかりやすい解説

直視分光器
ちょくしぶんこうき
direct vision spectroscope

直接手に持って光源のスペクトルを簡便に観察できるようにした分光器。手持ち分光器ともいう。普通は入射スリットと複数の三角プリズムを貼合せたものとレンズでできていて,分散によるわずかのぶれを除いては,だいたい光源を見通す直線に沿ってくるようになっているので,直視するのに便利にできている。簡単な透過型回折格子を使ったものもある。

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百科事典マイペディア 「直視分光器」の意味・わかりやすい解説

直視分光器【ちょくしぶんこうき】

三角プリズムを数個組み合わせて,スペクトルを光の入射方向に見られるようにした分光器

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世界大百科事典(旧版)内の直視分光器の言及

【分光器】より

…もともと光のスペクトルを目で観測するための道具につけられた名称であり,その後も狭い意味でこの解釈は通用している。代表的なものとして図1に示す直視分光器があり,また定性あるいは半定量発光分光分析を目的とした専用可搬型の装置もいくつか市販されてきた。しかし目を検出手段とする方法ではスペクトル領域が可視域に限られその用途は狭い。…

※「直視分光器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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