直面(読み)ちょくめん

精選版 日本国語大辞典 「直面」の意味・読み・例文・類語

ちょく‐めん【直面】

〘名〙
① 直接に物事に対すること。避けられないような状態で物事に出会うこと。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉序「切実に実験し得ずにゐた怖るべき問題に直面し」

ひた‐おもて【直面】

〘名〙
① (形動) 直接、顔を合わせてさし向かうこと。覆いかくすところなく直接的であること。また、そのさま。
紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一一月二〇日「ひたおもてにさしむかひ」

じき‐めん ヂキ‥【直面】

〘名〙 直接に面会すること。直接にあうこと。〔文明本節用集(室町中)〕
浮世草子・傾城仕送大臣(1703)一「御自身に御出なされませい、直面(ヂキメン)におわたしませふ」

ひた‐めん【直面】

〘名〙 能を演ずるシテ、またはシテツレが、面をつけないこと。また、その役柄。面をつけている意識で演ずる。ひたおもて。
風姿花伝(1400‐02頃)「ひためん これ又、大事也」

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デジタル大辞泉 「直面」の意味・読み・例文・類語

ちょく‐めん【直面】

[名](スル)物事に直接対すること。「思いがけない事態に直面する」
[類語]向かう迎える向く向き合う向かい合う対するあい対する正対せいたいする面する臨む対峙たいじする

ひた‐おもて【直面】

[名・形動ナリ]
面と向かい合うこと。また、そのさま。
「ただかう殿上人の―にさしむかひ」〈紫式部日記
ひためん(直面)

ひた‐めん【直面】

能で、役者が面をつけずに素顔のままでいること。主に、普通は面をつけるシテシテツレについていう。ひたおもて。

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とっさの日本語便利帳 「直面」の解説

直面

狂言では神仏、鬼、精霊老人醜女動物などを演じる際には面を付けるが、普通は何も付けない素顔。これを直面という。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

普及版 字通 「直面」の読み・字形・画数・意味

【直面】ちよくめん

当面

字通「直」の項目を見る

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