相の間(読み)あいのま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「相の間」の意味・わかりやすい解説

相の間
あいのま

2つの部屋の間の空間をさす。神社建築では本殿拝殿の間をいい,特に八幡造の前殿と後殿の間や権現造の本殿と拝殿の間の空間をさす。権現造の社殿では本殿と拝殿の間を一段低くして床を張り,土間あるいは石敷きとしたために石の間とも称された。北野神社は慶長 12 (1607) 年の再建であるが,記録により平安時代末期には石の間が存在していたことが知られている。

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世界大百科事典(旧版)内の相の間の言及

【神社建築】より


[八幡造]
 住吉造と並ぶ二室神殿として宇佐神宮本殿を代表とする八幡造がある(図6)。外観を見ると2棟の切妻造平入りの建物が前後に接続した形であるが,両殿の中間を相の間として建物のなかに取りこみ,相の間を前殿と一体として扱うので内部は連続する2室となる。平安初期に宇佐八幡を勧請して創立した京都の石清水(いわしみず)八幡宮も同じ形式であるが,相の間の床が低く張ってある点がかえって宇佐よりも古風であって,古くはこの部分が土間であった。…

※「相の間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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