相伴(読み)ショウバン

デジタル大辞泉 「相伴」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ばん〔シヤウ‐〕【相伴】

[名](スル)
連れ立って行くこと。また、その連れの人。
「貴公子仲間の斐誠がいつもいっしょに来る。それに今一人の―があって」〈鴎外魚玄機
饗応の座に正客の連れとして同席し、もてなしを受けること。または、人の相手をつとめて一緒に飲み食いをすること。また、その人。「社長のお相伴宴席に出る」「今日は私がお相伴させていただきます」
他とのつり合いや行きがかりで利益を受けること。また、他の人の行動に付き合うこと。「お土産のお相伴にあずかった」「友人相伴して映画を見にいく」
[類語]もてなす馳走ふるまう饗する饗応遇する接待歓待構いお構い愛想接客もてなし椀飯おうばん振る舞い造作会食懇親会茶話会陪食伴食

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「相伴」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ばん シャウ‥【相伴】

〘名〙
① 互いに連れ立つこと。伴って行くこと。
※参天台五台山記(1072‐73)四「大唐特差中使相伴焼香。其礼最厚也」 〔駱賓王‐憲台出寒夜有懐詩〕
供応の席につらなって正客の相手をし、みずからも供応を受けること。他の人に便乗して飲食すること。また、その人。陪食。伴食。接伴
※土井本周易抄(1477)二「人をもてなすには相伴がなうてはぞ」
※虎明本狂言・鱸庖丁(室町末‐近世初)「身もしゃうばんにたべふが」
③ 他とのつり合いや物事の行きがかりなどのためにいっしょにつき合うこと。また、その人。
信長公記(1598)六「左京大夫殿腹十文字に切、比類なき御働き、哀なる有様なり。御相伴人数〈略〉右三人追腹仕り、名誉の次第此節なり」
異端者の悲しみ(1917)〈谷崎潤一郎〉三「牛鍋御馳走をせびったり芸者買ひの招伴にあづかったりする」

あい‐ともな・う あひともなふ【相伴】

(「あい」は接頭語)
[1] 〘自ハ四〙 連れ立つ。いっしょに行動する。
太平記(14C後)六「相伴(アヒトモナ)ふ者無て、中有(ちうう)の途(みち)に迷ふらん」
[2] 〘他ハ四〙 いっしょに連れて行く。引き連れる。相具す
風姿花伝(1400‐02頃)四「是は、かの氏安が妹むこなり。これをもあひともなひて、申楽(さるがく)をす」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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