相撲甚句(読み)スモウジンク

デジタル大辞泉 「相撲甚句」の意味・読み・例文・類語

すもう‐じんく〔すまふ‐〕【相撲甚句】

民謡の一。相撲世界で、土俵余興歌、また酒盛り歌として歌われた。江戸末期から明治にかけて流行、現在も各地に残る。

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精選版 日本国語大辞典 「相撲甚句」の意味・読み・例文・類語

すもう‐じんく すまふ‥【相撲甚句】

〘名〙 民謡の一種。相撲取りの世界で次第に確立した歌で、江戸時代末期から明治時代まで全国的に流行したもので、現在も残る。詞型や曲節にはいろいろあるが、代表的なものは、「櫓(やぐら)太鼓にふと目を覚し、明日はどの手で投げてやろ、アリャリャ、アリャリャセ」。越後(新潟県)の盆踊歌から出たとか、名古屋甚句から出たなどの諸説がある。花相撲巡業などの余興として歌われる。すまいじんく。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「相撲甚句」の意味・わかりやすい解説

相撲甚句
すもうじんく

力士が歌う民謡の一種。江戸末期から「相撲取節」として始まったもので、盆踊り唄(うた)から転化して、節は江戸相撲、京坂相撲など地方によって異なる。最初は七七七五調26文字の四節でまとまった歌であったが、明治末ごろから名古屋甚句の影響でしだいに字余りの長文句が多くなり、現在、花相撲や巡業の余興で歌うのは、新作以外、明治末にはやった歌か、その替え歌がほとんどである。横綱大関の引退相撲には土俵歴、地方場所では土地の観光名所を織り込んだ新作が多く披露される。力士が相撲甚句を歌いながら、円陣を組んで差す手・引く手、足を前後左右に運んで回るのは、相撲の四十八手の型を表現しているのであるが、近年はこの意味が薄れつつある。

[池田雅雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「相撲甚句」の意味・わかりやすい解説

相撲甚句
すもうじんく

花相撲巡業相撲の土俵上で力士が披露する甚句。甚句は元日本民謡の一種で,相撲甚句は越後甚句の流れといわれる。力士が余興的に土俵でうたい,それに合わせて踊ったのでこの名が生まれ,江戸時代末期から始まった。「どすこい,どすこい」のかけ声が入る。

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