朝日日本歴史人物事典 「相馬哲平」の解説
相馬哲平
生年:天保4.5.5(1833.6.22)
明治期の北海道有数の地方財閥の創設者。相馬熊次郎の次男として新発田藩(新潟県北蒲原郡中条町)に生まれる。文久1(1861)年に北海道箱館へ渡り米穀業を,のちに漁業の仕込み,海産物の売買,土地所有,金貸しなどを手広く営み蓄財した。この間百十三国立銀行,函館銀行,函館貯蓄銀行の設立に加わり重役となる。重要なのは,大正4(1915)年に相馬合名(持株会社),8年に相馬商店(主力事業会社)を創設,これを両輪として系列子会社,土地所有を拡大したことである。相馬家の資産額は昭和8(1933)年に3000万円で,山形の本間家,宮城の斎藤家と比肩しうる第1次産業と金貸しを基盤とした地方財閥となった。<参考文献>神崎茂編『相馬哲平伝』,相馬株式会社ほか編『創業百周年』,森川英正『地方財閥』
(渋谷隆一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報