省筆(読み)しょうひつ

精選版 日本国語大辞典 「省筆」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ひつ シャウ‥【省筆】

〘名〙
語句省略すること。せいひつ。
日本詩史(1771)凡例「畧陳瑜瑕以成巻者。要之省筆減簡、不然」
読本南総里見八犬伝(1814‐42)九「省筆(セウヒツ)は、事の長きを後に重ていはざらん為に、必聞かで称(かなは)ぬ人に、偸聞(たちぎき)させて筆を省き」
文字点画(てんかく)を省略すること。せいひつ。

せい‐ひつ【省筆】

〘名〙
① 語句を省略すること。文章中の文句を省略すること。しょうひつ。
小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下「人物にして屡々長き履歴を語らしむる事 こは省筆(セイヒツ)一法なるのみかまた趣あるものなるから」
② 文字の点画をはぶくこと。しょうひつ。
※閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉筆蹟の大切なること「筆法練習を為さねば省筆(セイヒツ)の法が解らぬから」

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デジタル大辞泉 「省筆」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ひつ〔シヤウ‐〕【省筆】

[名](スル)
文章を書くとき、語句を省略したり細かいところは触れずにすませたりすること。省文せいぶん。せいひつ。「これよりは省筆する」
漢字の点画を省略して書くこと。省文せいぶん。せいひつ。「省筆せず、すべて正字で書く」
[類語]省略略す略する省く間引く前略中略後略上略下略割愛はしょる約する

せい‐ひつ【省筆】

[名](スル)
しょうひつ(省筆)1」に同じ。
「ここらで―をするのは、読者に感謝して貰っても好い」〈鴎外・カズイスチカ〉
しょうひつ(省筆)2」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「省筆」の読み・字形・画数・意味

【省筆】せいひつ

簡潔の文。

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