真俗(読み)シンゾク

デジタル大辞泉 「真俗」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぞく【真俗】

仏語。仏の絶対平等の真理と、世間一般の差別的な真理。
仏の教えと世俗の教え。出世間しゅっせけんと世間。
「―につけて、必ず果たし遂げんと思はん事は」〈徒然・一五五〉
出家在家。僧と俗人
「―共に驕慢の心あるに依って」〈太平記・二四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「真俗」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぞく【真俗】

〘名〙
① 仏語。出世間的真理と世間的真理。あるいは真実平等の理と世俗差別のすがた。
※本朝文粋(1060頃)一〇・於天台山円明房月前閑談詩序〈大江以言〉「行蔵之道得其時。真俗之諦究其相
② 仏の教えと世俗の教え。仏法と王法。宗教的信仰と世間的道徳
徒然草(1331頃)一五五「真俗につけて、必ず果し遂げんと思はん事は、機嫌をいふべからず」
③ 出家と在家。僧侶と俗人。僧俗。また、出家の姿と俗人の姿。法体と俗体。
※続日本紀‐養老六年(722)七月己卯「其僧綱者、智徳具足、真俗棟梁。理義該通。戒業精勤」
④ 仏法と寺家。
醍醐寺新要録(1620)「任実性法印師資之儀、令相続領掌、可真俗興行沙汰候也」

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