真岡市(読み)モオカシ

デジタル大辞泉 「真岡市」の意味・読み・例文・類語

もおか‐し〔まをか‐〕【真岡市】

真岡

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日本歴史地名大系 「真岡市」の解説

真岡市
もおかし

面積:一一一・四九平方キロ

県南東部に位置し、旧芳賀はが郡中央西部を占める。真岡市の成立により、芳賀郡は二地域に分断されている。東は八溝やみぞ山系台地の最南部で、芳賀郡益子ましこ町、南は茨城県西茨城郡岩瀬いわせ町と芳賀郡二宮にのみや町、西は鬼怒川を隔てて河内かわち上三川かみのかわ町・宇都宮市、北は宇都宮市・芳賀郡芳賀町・市貝いちかい町と接する。市域南東部を小貝こかい川、中部を五行ごぎよう川、西端を鬼怒川がほぼ並行していずれも南流し、小貝川・五行川が形成する東部の沖積平坦地帯と、西部の鬼怒川左岸台地、その中間の鷺谷さぎのや・真岡台地とからなる。南東端部を除き、全体的に平坦な台地と平地がほとんどである。現在茨城県下館しもだて市から北上する真岡鉄道が、市街中央部で鉤形に屈折して東方益子町に延び、国道二九四号がこれに並行して走る。真岡の地名は古代中世には用いられておらず、「下野国誌」は「和名抄」の芳賀郡芳賀郷を真岡の地とし、天正年中(一五七三―九二)真岡と改めたとする。天正五年芳賀高継によって築かれた芳賀城が、真岡城とも称された。文和四年(一三五五)正月二八日の如来堂(現二宮町高田専修寺)の修理料差文(専修寺文書)に「二十五匹 まほか 空円」とあり、同文書中の田井だい(西田井・益子町東田井)、やかへ(二宮町谷貝)下条しもじよう(西田井)太子堂たいしどう(亀山)などと併せて考えると、真岡の地をさすと推定される。「御前の岡の台に鶴集りて毎日舞けるを、郷人是を見て、今日も舞か、けふも舞ふかと云へり、是真岡郷の初とかや」という地名語源伝承がある(「ふむのあとこと」塚田元成文書)

〔原始〕

先土器時代の遺跡は本格調査を経た東大島の磯山ひがしおおしまのいそやま遺跡をはじめ台町城内だいまちじようない下大田和しもおおだわ・鷺谷・亀山猿山かめやまさるやま八木岡於宮やぎおかおみやなど一〇ヵ所が全市域に分布している。縄文時代の遺跡は、草創期の細隆起線文土器を出土した西高間木の稲荷山にしこうまぎのいなりやま遺跡、早期の尖底深鉢形土器を出土した同遺跡および下高間木しもこうまぎ遺跡をはじめ台町丸山まるやま(前期)根本柳久保ねもとやなくぼ(中期)長田山王薬師堂脇ながたさんのうやくしどうわき(前・後期)など五〇ヵ所以上に及ぶ。弥生時代の遺跡は発掘調査の行われた下籠谷井頭しもこもりやいがしら・根本柳久保・西高間木稲荷山の三遺跡をはじめ一七ヵ所が確認されている。いずれも弥生時代の住居集落跡が確認され、城内遺跡からは底部に籾痕の付いた後期の土器片が、柳久保遺跡からは石製紡錘車が出土している。稲荷山遺跡は前期の古墳群で、ほぼ原形をとどめている方形周溝墓五基が確認されている。古墳時代の遺跡は「栃木県遺跡地図」に三五ヵ所が記載され、中期・後期のものが多く、円墳が大部分で前方後円墳がこれに次ぐ。

真岡市
もおかし

2009年3月23日:真岡市が芳賀郡二宮町を編入
【二宮町】栃木県:芳賀郡
【真岡市】栃木県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真岡市」の意味・わかりやすい解説

真岡〔市〕
もおか

栃木県南東部,鬼怒川の左岸にある市。下野平野の南東部に位置し,南で茨城県に接する。1954年真岡町と大内村,中村,山前村の 3村が合体して市制。2009年二宮町を編入。中心市街地を五行川が南流する。真岡は天正5(1577)年芳賀氏の築城により城下町として発達。江戸時代には幕府の直轄地となり代官所が置かれ,物資の集散地として繁栄。明治末期までは真岡木綿の集散地として知られていた。農村部では米,イチゴ,トマトなどの栽培や花卉園芸が行なわれるほか,かんぴょうを特産。1964年首都圏都市開発地域に指定され,西部の台地に工業団地,住宅団地が造成され,アルミニウム,輸送用機械,一般機械などの工場が立地。親鸞が開いた専修寺(せんじゅじ)は御影堂,如来堂などが国の重要文化財,境内が史跡に指定。桜町陣屋跡は国指定史跡。北西部に県民公園の井頭公園(面積 93.3ha)がある。真岡鐡道,国道121号線,294号線,408号線が通り,北関東自動車道のインターチェンジがある。面積 167.34km2。人口 7万8190(2020)。

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