精選版 日本国語大辞典 「真然」の意味・読み・例文・類語
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(津田眞一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
…空海の伽藍建設は講堂(金堂),中門を南北中心線上に,後方東西に大塔・西塔を胎蔵・金剛両界に比して配するという,高野山の立地条件をふまえた独自の構想によったが,その在世中には完成を見なかった。伽藍の完成は弟子真然(しんぜん)の時代で,真然は大塔,西塔を完成し,教学の興隆をはかり,寺領を確立するとともに高野山に座主職を置いた。この結果,真言教団の体制は整ったが,その極端な排他的高野山中心主義は,かえって高野山の発展を妨げた。…
… 金剛峯寺は空海によって開かれたが,その経営は代々紀伊国司が俗別当としてこれにあたった。889年(寛平1)伽藍がほぼ完成した時期に,空海の弟子真然は弟子の寿長を初代座主に補任し,以後真然直系で高野山に常住する僧をこれにあてることにした。空海の入唐中のノートである《三十帖策子》の帰属をめぐる紛争ののち,東寺長者観賢(かんげん)はみずから金剛峯寺の座主を兼務して,真然と共通の弟子峰禅を金剛峯寺正別当に任じ,以後東寺長者による金剛峯寺の支配体制を確立した。…
※「真然」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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