真電荷(読み)シンデンカ

デジタル大辞泉 「真電荷」の意味・読み・例文・類語

しん‐でんか【真電荷】

電極などの導体に存在し、接触によって移動させたり、自由に加えたり減らしたりできる電荷

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「真電荷」の意味・わかりやすい解説

真電荷
しんでんか

実際に電極などに存在し、外部から加えたり外部へ取り出したりすることができる電荷。電荷には、真電荷、分極電荷、自由電荷の3種類がある。自由電荷は電界電場)を決定するものである。このなかには、物質を構成しているイオンや電子などの電荷をすべて含んでいる。普通は物質全体として中性になっているが、分極により電荷が部分的に偏り正負の電荷のバランスが崩れて現れるのが分極電荷である。自由電荷から分極電荷を差し引いたものが真電荷である。誘導体のある空間で真電荷についてのみガウス定理について考えると、真電荷は電界よりむしろ電束密度関係していることが導かれる。

[山口重雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真電荷」の意味・わかりやすい解説

真電荷
しんでんか
true electric charge

自由に移動したり外部に取出したりできる本来電荷。真空中でも物質 (→誘電体 ) 中でも電場をつくる源である。対立概念である分極電荷は真空中では存在できない。誘電体があるときには,真電荷と分極電荷を合せた自由電荷が電場を決定する。真電荷の密度 ρ と電束密度 D との間には divD=ρ の関係がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「真電荷」の意味・わかりやすい解説

真電荷 (しんでんか)

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世界大百科事典(旧版)内の真電荷の言及

【電荷】より

…電荷の保存則は,自然界で成立するもっとも基本的な法則の一つと考えられている。
[真電荷と分極電荷]
 気体,液体,固体などのマクロの物質の電気的現象は,上述のように電子と原子核がもつ電荷によって起こる。しかし物質中の電子と原子核は,ばらばらの状態で存在するのではなく,いくつかずつ結合して中性の原子・分子をつくっている。…

※「真電荷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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