眼柄(読み)ガンペイ

デジタル大辞泉 「眼柄」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぺい【眼柄】

エビカニなど甲殻類頭部から伸びた、目のついている柄状の部分
眼杯基部に生じる、前脳とつなぐ部分。のちに視神経になる。

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精選版 日本国語大辞典 「眼柄」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぺい【眼柄】

〘名〙
① エビ、カニなどの甲殻類で目がついている柄。眼柄を突き出すことによって、広範囲の光が知覚できる。
脊椎動物の眼の発生において、眼胞の基部にあって前脳に続く部分。眼胞茎。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「眼柄」の意味・わかりやすい解説

眼柄
がんぺい

脊椎(せきつい)動物の目が発生してくるときに前脳より突出して生じる眼胞の、細くなった基部をいう。この部分は前脳と連絡し、のちに視神経を形成する。また、甲殻類の十脚(じっきゃく)目や口脚目などでは、細長い棒状の部分が頭部から伸び、その先に目があるが、この棒状の部分を眼柄という。眼柄の内部にはX器官とよばれる神経分泌細胞群があり、その軸索末端は集合してサイナス腺(せん)をつくり、そこからの神経分泌物質には脱皮抑制作用がある。さらに、軟体動物のカタツムリなどがもつ2対の触角のうち後方のものはその先端に目があるので、触角の部分を眼柄とよぶ。

[菊山 栄]

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世界大百科事典(旧版)内の眼柄の言及

【X器官】より

…種類によりその特徴に相違がある。エビ,カニのように眼柄をもっている種類では,眼柄内にのびている脳の一部にある。神経分泌細胞は,その位置,含まれる顆粒(かりゆう)の状態,色素による染色性の特徴などから数種類区別される。…

※「眼柄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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