日本大百科全書(ニッポニカ) 「矢代秋雄」の意味・わかりやすい解説
矢代秋雄
やしろあきお
(1929―1976)
作曲家。東京生まれ。幼時より音楽に親しみ、諸井(もろい)三郎や橋本国彦に手ほどきを受ける。のち東京音楽学校作曲科に入学、池内友次郎(いけのうちともじろう)のもとでフランスの和声学を学んだ。1951年(昭和26)同研究科修了と同時に渡仏、パリ国立音楽院でフランスの伝統的な音楽書法を身につけた。56年帰国、同年弦楽四重奏曲(1955)で毎日音楽賞を受賞し、その後も寡作ながらスケールの大きな構想と緻密(ちみつ)な書法による佳作を生んだが、46歳の若さで急逝。主要作品に交響曲(1958)、チェロ協奏曲(1960)、ピアノ協奏曲(1967)があり、『矢代秋雄全集』(1978・音楽之友社)に収められている。遺稿文集『オルフェオの死』(1977)がある。
[船山 隆]