石国庄(読み)いわくにのしよう

日本歴史地名大系 「石国庄」の解説

石国庄
いわくにのしよう

岩国庄とも記す。古代の石国郷の領域を継承したと思われるが、正確な荘域は明らかではない。周防国が東大寺造営料国となってまもない鎌倉初期のものと思われる、年号不詳の東大寺文書の「大内介知行所領」のうちに「一所大内村、一所宮野、一所本庄、一所由宇郷、一所通津郷、一所横山」とあり、本庄と記されるのが石国本庄のことと思われる。本来、横山よこやまは石国庄のうちであり、至徳三年(一三八六)四月七日付の永興ようこう寺旧蔵文書に「永興寺領周防国屋代庄北方、岩国本庄内横山」とあるように記すべきところを、本庄と横山に分けて書いたものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の石国庄の言及

【岩国[市]】より

…【三浦 肇】
[岩国城下]
 《延喜式》に周防国の駅家として石国駅が見え,古代から山陽道の要地であった。石国庄は1237年(嘉禎3)の〈周防国石国御庄沙汰人等重申状〉(野坂家文書)に見え,1302年(乾元1)には後堀河天皇の皇女室町院暉子の御料地であった。持明院統に引き継がれたが,南北朝期以後大内氏の支配が及んだ。…

※「石国庄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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