石地蔵(読み)いしじぞう

精選版 日本国語大辞典 「石地蔵」の意味・読み・例文・類語

いし‐じぞう ‥ヂザウ【石地蔵】

〘名〙
① 石に刻んだ地蔵菩薩像。また、地蔵菩薩の石像。子供を守ると信じられ、道の辻、路傍などに立てられる。
仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)一「小磯の町はづれに小橋あり。その先に切通あり。右のかたに石地蔵あり」
② 人にたとえていう。
(イ) 色恋について興味や反応を示さない女性。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)四「ばかアいふな。石地蔵(イシヂゾウ)を抱てねるこたアいやだ」
(ロ) 無口な人。また、口のきけない人。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「終(つひ)には、『仰しゃらぬとくすぐりますヨ』とまで迫ったが、石地蔵と生れ付たせうがには」
(ハ) 身体をかたくして動かずにいること。
※付焼刃(1905)〈幸田露伴〉三「下らないナア、石地蔵なんぞ仕たって何様なるものかネ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「石地蔵」の意味・読み・例文・類語

いし‐じぞう〔‐ヂザウ〕【石地蔵】

石に刻んだ地蔵菩薩ぼさつ像。地蔵菩薩の石像。
無口な人、色恋に反応を示さない人のたとえ。

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