石炭ガス化複合発電(読み)セキタンガスカフクゴウハツデン

デジタル大辞泉 「石炭ガス化複合発電」の意味・読み・例文・類語

せきたんガスか‐ふくごうはつでん〔‐クワフクガフハツデン〕【石炭ガス化複合発電】

石炭ガス化し、ガスタービン蒸気タービンの2段階で発電する技術。ガスタービンで発電した際に発生する排熱を回収して蒸気を発生させ、蒸気タービンを駆動させる。従来石炭火力発電よりも発電効率が高く、二酸化炭素排出を抑制できる。IGCC(integrated gasification combined cycle)。

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化学辞典 第2版 「石炭ガス化複合発電」の解説

石炭ガス化複合発電
セキタンガスカフクゴウハツデン
integrated gasification combined cycle

略称IGCC.石炭ガス化で生成する合成ガス高温で燃焼するガスタービン発電と,その排熱を利用して発生させた水蒸気を使用する蒸気タービン発電の2方式から構成される発電方式.ガスタービンのかわりに燃料電池を用いる方式を石炭ガス化燃料電池複合発電という.これらの複合発電方式では,現行の石炭火力発電主流である微粉炭燃焼と蒸気タービンとを組み合わせる方式に比べ,発電効率が飛躍的に向上するので,二酸化炭素排出量の削減に貢献できる次世代型システムとして,研究開発が進められている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石炭ガス化複合発電」の意味・わかりやすい解説

石炭ガス化複合発電
せきたんガスかふくごうはつでん
coal gasification combined power generation

究極埋蔵量9兆 9000億tという資源的可能性のある石炭をガス化し,ガスタービンを回して発電するとともに,その時に生ずる燃焼ガスで蒸気を発生させ蒸気タービンでも発電する複合発電方式。従来の火力発電を上回る 48%以上の熱効率が得られる。燃料をガスタービンと蒸気タービンの2段階で利用することにより効率が大幅に上昇するほか,石炭を直接燃焼させる場合に比べて二酸化炭素の排出量を抑えることができる。

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