石積み(読み)イシツミ

デジタル大辞泉 「石積み」の意味・読み・例文・類語

いし‐つみ【石積み】

《「いしづみ」とも》
垣や橋台石材を積み上げて築造すること。また、その構造物。切り石積み・野石積みなどがあり、積み方により布積み・谷積みなどがある。
子供遊戯の一。積み重ねた小石の山から、山を崩さないようにして取った石の数を競ったり、一定の数の小石を崩さないように一つずつ積み重ね、積み終える早さを競ったりするもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「石積み」の意味・わかりやすい解説

石積み (いしづみ)

石を積み上げて壁その他の建築部分を築く技術をいう。古代エジプト建築に見られるように,古代から高度の段階に発達していた。石積みは,大別して野石積(のいしづ)みと切石積(きりいしづ)みに分かれる。野石積みは,天然のまま,あるいは割ったままで,ていねいな加工をしていない石を乱積(らんづ)み(不整形積み)にするもので,日本の石垣などに多く見られるが,西洋の石造壁にもしばしば見いだされる。切石積みは,石材をていねいに加工して,合端(あいば)(石壁の表面に近い部分での石材の接触面)を密接させる工法で,通例,直六面体に仕上げた石材を水平な層にして並べてゆく。石材の大小に応じ,厚い層や薄い層ができても,いずれも水平に積む。石材の継目目地(めじ)といい,水平方向の目地は一直線に通ってもよいが,垂直方向の目地が2段以上つながったものは芋(いも)目地と呼ばれ,石積みでは絶対に避けるべきこととされている。これは,石材を一体化して,壁を強固にし,弱点をつくらないためである。石材の接合をさらに強固にするため,上下の石のあいだに太枘(だぼ)をはめ,左右の石材は鎹(かすがい)でつなぐことも行われる。太枘や鎹は,鍛鉄,銅,青銅などの錆びにくい金属を使い,隙間は鉛で充塡する(建築金物)。直六面体の石材でなく,さまざまな形の多角形の石材を密接させた多角形石積みも,石材が移動しないため強固な壁となり,この場合は太枘や鎹を用いる必要がない。目地が見えないよう,あるいは目だたないように密接させた平滑な仕上げを眠り目地,あるいは盲(めくら)目地という。逆に,目地を目だたせ,石積みらしさを強調したものをルスティカといい,日本の石積みでは,〈江戸切り〉〈こぶ出し〉と呼ばれるものがこれに当たる。
石垣
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