砂沢遺跡(読み)すなざわいせき

日本歴史地名大系 「砂沢遺跡」の解説

砂沢遺跡
すなざわいせき

[現在地名]弘前市三和 下池神

砂沢溜池に南から突出する標高約一五メートルの舌状台地に営まれた縄文時代終末の遺跡。溜池の満水期には大半水中に没する。

正式な発掘調査はまだ行われていないが、この遺跡より出土する、変形工字文の接点に粘土粒をもつ土器は、東北地方北部の縄文文化終末期を特徴付ける文様として、砂沢式という型式名が与えられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「砂沢遺跡」の意味・わかりやすい解説

砂沢遺跡
すなざわいせき

青森県弘前市にある縄文~弥生時代の遺跡。縄文時代終末期の砂沢式土器の標式遺跡であり,古くからその存在は知られていた。 1987年から調査され,砂沢式土器に伴う水田の跡が確認された。それとともに弥生時代前期の土器である遠賀川系の土器が出土し,大きな話題となった。垂柳遺跡で確認された水田がより古い時期にさかのぼることは明らかで,北九州に成立した弥生文化はきわめて速い速度で本州北端まで達したことが確認された。しかし稲作農耕はこの地に定着することなく終ったとされる。

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