社用族(読み)しゃようぞく

精選版 日本国語大辞典 「社用族」の意味・読み・例文・類語

しゃよう‐ぞく【社用族】

〘名〙 (「しゃようぞく(斜陽族)」と語呂(ごろ)を合わせてできた語) 会社公用にかこつけて、社費飲み食いなどをする人々。
※一等サラリーマン(1952)〈源氏鶏太〉サラリーマン十戒「かの社用族なんてのは、まさにサラリーマン生活の醍醐味です」

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デジタル大辞泉 「社用族」の意味・読み・例文・類語

しゃよう‐ぞく【社用族】

《「斜陽族」の語呂合わせ》社用という名目飲食遊興などに社費を乱費する者。

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改訂新版 世界大百科事典 「社用族」の意味・わかりやすい解説

社用族 (しゃようぞく)

社用にかこつけ,社費で遊興する者を指す用語。第2次大戦後の経済の低迷期,1950年ころに,疲弊したサラリーマンたちが,自前では一流レストラン,バー等で飲食することができず,その支払いを社用という名目で会社に肩代りさせたことから生じたことば。戦後,没落した上流階級を描いた太宰治の小説《斜陽》に由来して〈斜陽族〉という呼名がはやったが,〈社用族〉は,それとの語呂合せから,経済的に弱体化した会社員を揶揄(やゆ)しつつも半ば羨望(せんぼう)する気持ちを込めて用いられるようになった。しかしその後の経済の高度成長期には〈社用にかこつける〉という意味合いは薄れ,会社の業績をあげるために取引先接待し,また商談を進める場づくりのために飲食,ゴルフ,招待旅行などを共にすることが盛んに行われるようになり,業務の一環として接待に従事し,その費用を会社の必要経費たる交際費から落とす者を〈社用族〉とみなすようになった。
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