神妙(読み)しんびょう

精選版 日本国語大辞典 「神妙」の意味・読み・例文・類語

しん‐びょう ‥ベウ【神妙】

〘名〙 (形動) (「びょう」は「妙」の漢音)
菅家後集(903頃)傷野大夫「沈思雖神妙、如大夫者二三無」
吾妻鏡‐元暦元年(1184)正月二七日「景時之思慮猶神妙之由、御感及再三云々」
平家(13C前)二「日来(ひごろ)契約をたがへず、まゐりたるこそ神妙なれ」
名語記(1275)五「神妙なるものはまたくすなおなるに」

しん‐みょう ‥メウ【神妙】

〘名〙 (形動) (「みょう」は「妙」の呉音)
霊妙不可思議なこと。人間の能力を超越した霊妙不可思議な働きや現象。また、そのさま。奇特。しんびょう。
※読本・雨月物語(1776)夢応の鯉魚「其弟子成光なるもの、興義が神妙(シンメウ)をつたへて時に名あり」 〔曹植‐求自試表〕
② けなげなこと。感心なこと。また、そのさま。殊勝。奇特。しんびょう。
浮世草子武家義理物語(1688)三「いづれも此一言を聞から、神妙(シンメウ)のいたりなり」
③ 素直なこと。おとなしいこと。また、そのさま。しんびょう。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉七「尤もヱム〔かね〕もないからだけれど。神妙(シンメウ)学校へ帰った処が」

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デジタル大辞泉 「神妙」の意味・読み・例文・類語

しん‐みょう〔‐メウ〕【神妙】

[名・形動]
人知を超えた不思議なこと。霊妙。しんびょう。「神妙不可思議な力」
心がけや行いが立派ですぐれていること。けなげで感心なこと。また、そのさま。殊勝。しんびょう。「神妙な心がけ」
態度がおとなしく、すなおなこと。また、そのさま。しんびょう。「神妙小言を聞く」「神妙な顔で控える」
[派生]しんみょうさ[名]
[類語]殊勝健気奇特感心見事立派結構素晴らしい良い素敵すてき最高絶妙卓抜秀逸目覚ましい輝かしいたえなるえも言われぬ良質上質上等優良佳良純良良好上上上乗グーグッドナイスワンダフル好ましい程よい好個絶好最適じょうずうまい上出来言うことなしあっぱれ

しん‐びょう〔‐ベウ〕【神妙】

[名・形動]しんみょう(神妙)」に同じ。
「いかにも―に、いかにもおとなしく」〈鴎外高瀬舟

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普及版 字通 「神妙」の読み・字形・画数・意味

【神妙】しんみよう(めう)

人力の及ばぬふしぎなはたらき。魏・曹植〔自ら試みられんことを求むる表〕臣昔、先の武皇に從ふ。~伏して軍を行(や)り、兵を用ひる以の勢ひを見るに、妙と謂ふべし。

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