神道流(読み)しんとうりゅう

精選版 日本国語大辞典 「神道流」の意味・読み・例文・類語

しんとう‐りゅう シンタウリウ【神道流】

〘名〙
武術流派の一つ。正称天真正伝香取神道流下総国千葉県)の郷士飯篠山城守家直(長威斎)が文明年間(一四六九‐八七)頃創始した軍法、剣法、薙刀、槍法などの武術の流派の総称分派が多く、塚原卜伝の新当流、諸岡一羽一羽流もその一派
※本朝武芸小伝(1716)五「早雲記曰〈略〉神道流刀術者曰、鹿島香取両神より長威へさづけ給ふ刀術ゆへ、伝書に天真正伝と有り」
② 剣舞の流派の一つ。山口昌玲によって始められ、関東地方一円で行なわれている。

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デジタル大辞泉 「神道流」の意味・読み・例文・類語

しんとう‐りゅう〔シンタウリウ〕【神道流】

室町時代におこった兵法の一流派。下総しもうさ国香取の飯篠長威斎の創始という。分派が多い。天真正伝神道流

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百科事典マイペディア 「神道流」の意味・わかりやすい解説

神道流【しんとうりゅう】

正式名称は〈天真正伝神道流〉。剣術流派の一つで,日本剣道史上最古のもの。下総(しもうさ)国飯篠(いいざさ)の飯篠長威斎(ちょういさい)〔1387?-1488〕が香取神宮神伝によって創始したという。神道流は剣術,なぎなた,槍(やり),居合,軍法などをすべて含む総合武術であった。長威斎は剣術中興の祖と仰がれ,その門から諸岡一羽(もろおかいちう),塚原土佐守安幹,松本備前守政信らの名人が出,塚原土佐守の子塚原卜伝(ぼくでん)は新当流を,一羽の門人根岸兎角は微塵(みじん)流を開いた。
→関連項目新陰流

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改訂新版 世界大百科事典 「神道流」の意味・わかりやすい解説

神道流 (しんとうりゅう)

下総国(千葉県)香取の飯篠長威斎(いいざさちよういさい)(1387?-1488)を祖とする剣術流派。正式には天真正伝神道流という。神道流は日本の剣道史上,流派として最も古いもので,鹿島,香取両神宮にゆかりの深い伝統ある武術である。神道流は軍法,剣術,なぎなた,槍,居合などを含む総合武術であった。この伝系には,諸岡一羽(もろおかいちう)の一羽流,塚原卜伝(ぼくでん)の新当流,有馬大和守乾信の有馬流などがある。神道流系統の剣術は,卜伝にいたって体系が確立したようである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神道流」の意味・わかりやすい解説

神道流
しんとうりゅう

一刀流,新陰流と並ぶ剣道三大流派の一つ。正式には天真正伝神道流といい,鹿島神道流ともいう。室町時代に下総 (千葉県) 香取郡飯篠村の飯篠長威斎家直が香取,鹿島両神宮の神伝により創始した。総合武道の流儀として有名。この流派から塚原卜伝の卜伝流,諸岡一羽の一羽流などが分派した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神道流」の意味・わかりやすい解説

神道流
しんとうりゅう

天真正伝神道流

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世界大百科事典(旧版)内の神道流の言及

【飯篠長威斎】より

…天真正伝神道(てんしんしようでんしんとう)流(略して神道流)の武術の祖。日本兵法中興の祖ともいわれ,剣術における日本最古の流祖。…

※「神道流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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