禍・災・殃(読み)わざわい

精選版 日本国語大辞典 「禍・災・殃」の意味・読み・例文・類語

わざ‐わい ‥はひ【禍・災・殃】

〘名〙 (「わざ」は神のしわざの意、「わい」は「さきわい(幸)」などの「わい」と同じ。悪い結果をもたらす神のしわざの意から)
① (形動) 悪い結果をもたらすような種々の事柄気配。また、その悪い結果。身にふりかかる傷害、病気、天災難儀など。また、そういう状態であるさま。災難災厄禍難(かなん)。凶事。曲事(まがごと)。不幸。
書紀(720)仁徳六七年是歳(前田本訓)「此の時に当りて妖気(ワサハヒ)稍くに動きて叛(そむ)く者一二(ひとりふたり)、始めて起る」
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「わざはひ極まる身ならば、そのわざはひかぎりなりて命極まり」
② 不快であること。いやなこと。どうにも処置のしようのないこと。感動表現に用いて好もしくないという感情を表わす。
大鏡(12C前)四「舞台の上にのぼりたまひて、もののね調子ふきいづるほどに、わざはひかな、あれは舞はじとて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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