朝日日本歴史人物事典 「福原有信」の解説
福原有信
生年:嘉永1.4.8(1848.5.10)
明治大正期の実業家。安房国松岡村(千葉県館山市)生まれ。漢方医であった祖父有斎の影響を受け,医者を志し,17歳のとき江戸に出る。翌年幕府医学所に入り本格的に西洋薬学を勉強した。明治2(1869)年に東京大病院(東大)の中司薬(職員)に採用され,4年には海軍病院薬局長に任じられる。5年に官を辞し,わが国最初の民間洋風調剤薬局,資生堂薬舗会社を開業する。7年には優良な医薬品の提供のため,東京製薬所を設立。17年政府の協力のもと,大日本製薬会社設立。資生堂は30年ごろから化粧品の製造販売も手がけ,その後は徐々に化粧品中心に移行していく。21年帝国生命保険会社(朝日生命)を設立,26年より社長に就任。後半生は保険業界での活動の比重が高まった。<参考文献>永井保・高居昌一郎編『福原有信伝』
(島田昌和)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報