福島区(読み)フクシマク

デジタル大辞泉 「福島区」の意味・読み・例文・類語

ふくしま‐く【福島区】

福島

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日本歴史地名大系 「福島区」の解説

福島区
ふくしまく

面積:四・六八平方キロ

大阪市の北西部に位置し、南西流する新淀川堂島どうじま川・安治あじ川に挟まれる。北東は大淀区、東と南東は北区、西は此花このはな区、南は安治川を挟んで西区。神戸方面への交通の要衝であり、区の東端を国鉄東海道本線と阪神高速大阪―池田線、中央部をほぼ東西に国道二号・阪神高速大阪―神戸線・阪神電鉄本線が通る。また中央部を国鉄大阪環状線が横断し、野田阪神のだはんしん駅を起点として地下鉄千日前線が南に延び交差している。区名は現在の福島付近にあった庄園名および近世村名から採ったもの。

〔原始・古代〕

昭和四年(一九二九)船津ふなつ橋付近から全長六・七メートル、幅一・二メートルの鰹節形で帆柱穴の残る独木舟(大阪市立博物館保管)が出土し、弥生―古墳時代のものと推定されている。古墳時代中期以降、淀川の土砂堆積と海退による海面低下で当区付近にもしだいにいわゆる難波八十島に含まれる島・洲ができていったと考えられる。

七―八世紀頃、難波に入津する船の多くは当区付近から現在の大川筋に入ったと考えられ、「日本書紀」推古天皇一六年六月一五日条などにみえる、遣隋使船や遣唐使船の発着した江口えぐちを当区福島一丁目付近に比定する説が有力。「扶桑略記」治安三年(一〇二三)一〇月二九日条によれば、四天王寺(現天王寺区)に参詣した藤原道長が帰途田蓑たみの島を過ぎ江口(現東淀川区)に向かっている。この田蓑島については、つくだ(現西淀川区)に比定する説が多いが(摂陽群談、大阪府全志など)、貞治三年(一三六四)足利義詮が著したという「住吉詣」には「たみのの島にあがり(中略)それより南にあたりて野田の玉河と云所」で藤の花を見物したことがみえる。「野田の玉河」は「野田の藤」で有名な玉川たまがわ二丁目春日かすが神社付近。文化三年(一八〇六)増修改正摂州大阪地図などには現大淀区にまたがる浦江うらえ村の南部付近を「古田蓑島」としている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福島区」の意味・わかりやすい解説

福島〔区〕
ふくしま

大阪市北部,淀川左岸の区。 1943年新設。北は淀川,西は中津川 (埋立て) ,南は堂島川と安治川に囲まれた低平な淀川沖積地で,かつては近郊農業地であったが,1897年大阪市に編入されてから市街化が進み,工場が進出。現在は繊維,薬品,自動車部品,印刷などの工場が立地する商工業地区で,特にメリヤス加工業が盛ん。自動車部品,メリヤスの問屋街がある。安治川沿いの下福島には中央卸売市場があり,付近には運送会社,倉庫が多い。 JR東海道本線,阪神電気鉄道本線,阪神高速3号神戸線,11号池田線,国道2号線がそれぞれ淀川を渡って郊外へ延び,JR大阪環状線,地下鉄千日前線が市内の主要駅と結ぶ。面積 4.67km2。人口 7万9328(2020)。

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