福王(読み)ふくおう(英語表記)Fú wáng

改訂新版 世界大百科事典 「福王」の意味・わかりやすい解説

福王 (ふくおう)
Fú wáng
生没年:1601-48

中国,南明亡命政権が擁立した皇帝。名は由崧(ゆうすう)。父は万暦帝の第3子朱常洵で,李自成農民反乱によって殺された。1644年(崇禎17・順治1),明が滅亡すると,史可法らは勤皇の軍を起こし,明の遺王を擁立して清軍に抵抗しようとした。福王は南京即位し翌1645年を弘光元年としたが,王自身,暗愚であったうえ,政権内部の腐敗によって自壊し,清軍の手に渡された。翌年北京に送られ,斬られたという。
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世界大百科事典(旧版)内の福王の言及

【南明】より

…中国,明朝滅亡ののち,その遺王たちは江南各地で清朝に対抗したが,彼らが建てた政権を南明と総称する。三藩(福王朱由崧,唐王朱聿鍵(いつけん),永明王朱由榔),四藩(三藩に魯王朱以海を加える)と呼ばれることもある。李自成が北京を陥れ,崇禎帝が自殺して明朝が滅ぶと,明朝復興運動が相次いで起こった。…

※「福王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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