福生(市)(読み)ふっさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「福生(市)」の意味・わかりやすい解説

福生(市)
ふっさ

東京都西部、多摩川左岸にある市。1970年(昭和45)市制施行。地名の由来は明らかでないが、古寺福生山清岩(せいがん)院(福生)、玉応山福生院(熊川)の名とかかわりがあるという。多摩川沿岸の低地を除く大部分が武蔵野(むさしの)台地で、多摩川に向かって三段の段丘面がある。JR八高(はちこう)線、青梅(おうめ)線が通り、拝島駅(はいじまえき)から五日市(いつかいち)線が分岐、西武拝島線が通じる。また国道16号が南北に通る。1653年(承応2)玉川上水が開削され、台地は養蚕を中心とし、低地は水田に従う農村であった。1940年(昭和15)台地に陸軍が飛行場を開設、第二次世界大戦後はアメリカ軍横田基地となり、基地の町として発展した。さらに1960年代、東京の住宅地として人口が急増した。横田基地に併行する国道16号沿いに異国風の商店街があり、福生駅付近に大型店が立地する。牛浜駅の西方、玉川上水と多摩川の間にある石浜の渡し跡は、1352年(正平7・文和1)新田義貞(にったよしさだ)が足利尊氏(あしかがたかうじ)を破った戦場跡とする説がある。南端の睦(むつみ)橋近くに江戸時代の名主家の酒醸造元がある。面積10.16平方キロメートル、人口5万6414(2020)。

沢田 清]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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