福田正夫(読み)ふくだまさお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「福田正夫」の意味・わかりやすい解説

福田正夫
ふくだまさお
(1893―1952)

詩人。神奈川県小田原(おだわら)市の生まれ。堀川家に生まれたが福田家の養子となり、神奈川師範学校を卒業後、東京高等師範学校体操科を中退し、川崎市の小学校に赴任農村の生活を素朴、平明に歌った処女詩集農民の言葉』(1916)を出版して詩壇に進出した。1918年(大正7)雑誌『民衆』を創刊民衆詩派の中心詩人となった。詩集『世界の魂』『船出の歌』『高原の処女(しょじょ)』のほか、歌謡曲校歌作詞もあり、国民歌謡愛国の花』は広く流布した。

[古川清彦]

『『福田正夫全詩集』全一巻(1984・教育出版センター)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「福田正夫」の解説

福田正夫 ふくだ-まさお

1893-1952 大正-昭和時代の詩人。
明治26年3月26日生まれ。東京高師を中退し,川崎の小学校教員となる。大正5年「農民の言葉」を出版。7年「民衆」の創刊に参加し,民衆詩派の中心的存在となる。「愛国の花」などの歌謡曲や校歌の作詞もおこなう。昭和27年6月26日死去。59歳。神奈川県出身。旧姓は堀川。詩集はほかに「高原の処女」など。
格言など】自分はあらゆる民衆の心に詩を求める。詩人の素質を求める(「詩人論」)

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世界大百科事典(旧版)内の福田正夫の言及

【民衆詩派】より

…1917年(大正6)ころから約10年間,詩壇に一地歩を占めていた民主主義的詩人の一派で,民衆の生活や心を日常語で平易に表現した。16年ころから詩壇に庶民的傾向が現れ,18年1月に福田正夫を中心とした雑誌《民衆》が創刊されてその傾向をおし進めたが,18年3月ころから民衆派・民主派の名称がこの傾向の一派に与えられ,その後,これらと同義の民衆詩派という名称も流布するようになった。この派の詩人には,福田正夫,白鳥省吾(しろとりせいご),百田宗治(ももたそうじ),富田砕花,井上康文,花岡謙二らがおり,加藤一夫も協力した。…

※「福田正夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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