福音史家の象徴(読み)ふくいんしかのしょうちょう(英語表記)symbols of the Evangelists

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福音史家の象徴」の意味・わかりやすい解説

福音史家の象徴
ふくいんしかのしょうちょう
symbols of the Evangelists

美術,宗教用語。聖書のなかの4人の福音史家マタイマルコルカヨハネを『エゼキエル書』1章あるいは『ヨハネの黙示録』4章に語られている4つの生き物の姿に象徴的に対応させたもの。マタイ=人間,マルコ=獅子,ルカ=牛,ヨハネ=わし,とするのが最も一般的で,聖ヒエロニムスの福音序文による。美術の主題としては5世紀前半からキリストのマエスタスや再臨図にみられるようになり,ローマのサンタ・プデンツィアーナ,ラベンナガラ・プラキディア廟モザイクなどに用いられ,ときにはキリストの昇天に伴って表わされた (『ラブラの福音書』,586頃) 。ほかに『ヨハネの黙示録』 (アンジェ・タペストリー美術館) などがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android