秋津洲(読み)あきつす

精選版 日本国語大辞典 「秋津洲」の意味・読み・例文・類語

あきつ‐す【秋津洲】

〘名〙 (「秋津(あきつしま)」の「洲(しま)」の誤読) =あきつしま(秋津島)(一)
※新拾遺(1364)賀・七二九「君が世は豊あし原のあきつすに満ち干る潮の尽きじとぞ思ふ〈源有長〉」

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日本歴史地名大系 「秋津洲」の解説

秋津洲
あきつしま

「古事記」「日本書紀」によると、孝安天皇は都を葛城むろ(「和名抄」の牟婁郷)の地に移して秋津嶋あきつしま宮としたという。元来、宮号は地名によったものが多く、「秋津」も奈良時代、葛城地方の別名と考えられる。室は「日本書紀」履中天皇三年一一月六日条に「掖上の室山」の記事がみえ掖上わきがみとよばれた地域にあった。現在の大字室付近に推定。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の秋津洲の言及

【トンボ(蜻蛉)】より

…【朝比奈 正二郎】
【伝承と民俗】

[日本]
 古くは〈あきづ〉と呼ばれ,日本の国土を〈あきづしま〉という。神武紀に,天皇が〈国の状(かたち)を廻(めぐ)らし望〉んで〈蜻蛉(あきづ)の臀呫(となめ)の如くにあるかな〉といったので〈秋津洲(あきづしま)〉と呼ぶようになったとある。民間では,初秋に突如として群れをなして飛来するところから,祖霊が姿をかえてやってくるとみてこれをとらえることを忌み,とらえると〈盆と正月礼にこい〉と唱えて放つ風習があった。…

※「秋津洲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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