秋田諸越(読み)あきたもろこし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋田諸越」の意味・わかりやすい解説

秋田諸越
あきたもろこし

秋田市の銘菓小豆(あずき)粉を原料とした落雁(らくがん)の一種で、杉山寿山堂(じゅさんどう)の創製。小豆粉を煎(い)り、砂糖を加えて木型に押し、表面をきつね色に焦がしたもの。歯を当てたときの、響きの高い堅さと、口中に広がる小豆の香ばしさ、漉し餡(こしあん)のようなまろやかさが、この菓子の特色。1705年(宝永2)寿山堂初代の良作はこれを藩主佐竹侯に献じ、「もろもろの菓子を越えたる風味」と激賞され、諸越の菓子名ができた。このほか山形県鶴岡(つるおか)市の名菓狐面(きつねめん)など、小豆落雁の数は多い。

[沢 史生


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事典 日本の地域ブランド・名産品 「秋田諸越」の解説

秋田諸越[菓子]
あきたもろこし

東北地方秋田県地域ブランド
小豆粉に砂糖を入れて練り固め、型打ちして乾燥させた秋田県で製造された干菓子江戸時代に藩主へ献上したところ「諸々の菓子を越える美味」と評価され、諸越という名の菓子になった。砂糖は和三盆を使用。2007(平成19)年7月、特許庁地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5064178号。地域団体商標の権利者は、秋田県菓子工業組合。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「秋田諸越」の解説

秋田諸越

秋田県の銘菓。小豆粉に砂糖などを入れて練り、型打ちし表面を焼いたもの。代表的なものに「炉ばた」「御幸乃華」などがある。

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