秘密曼荼羅十住心論(読み)ひみつまんだらじゅうじゅうしんろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「秘密曼荼羅十住心論」の意味・わかりやすい解説

秘密曼荼羅十住心論
ひみつまんだらじゅうじゅうしんろん

空海著書。 10巻。一般に『十住心論』と略す。天長7 (830) 年淳和天皇が,法相,三論,律,華厳,天台,真言の6宗に,それぞれの教義を述べた著述朝廷に提出することを命じたが,それに応じて空海が真言宗の教義をまとめたもの。『大日経』住心品に説かれる人間の心の向上してゆく様子,すなわち心品転昇の次第を当時存在した各宗に配当して真言宗の教判として十住心に体系化したもの。建長6 (1254) 年に快賢が初めて開板した。

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