移民政策[アメリカ合衆国](読み)いみんせいさく[アメリカがっしゅうこく]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

移民政策[アメリカ合衆国]
いみんせいさく[アメリカがっしゅうこく]

アメリカ合衆国に移住する人々に関する立法政策。歴史的には,移民に関する立法が制定されたのは 1924年の移民法が最初である。それまでは原則として自由であり,伝染病などの保持者だけが例外として排除されていた。 1880年代以降,南・東欧からの移民が激増するにつれて移民を制限すべきとの声が高まり,1924年に移民 (割当て) 法が成立した。これは,アングロ・サクソン系諸国以外からの移民を制限しようとするもので,これにより比較的新しい移民国 (南・東欧,アジア) からの移民は極度に制限されることになった。ナチス・ドイツからの避難者 (主としてユダヤ系の学者,芸術家) ,東欧共産圏からの政治的亡命者ベトナム戦争による難民など,第2次世界大戦後,アメリカは最大の移民受入れ国であった。移民法はそのときどきの国内状況でしばしば改正されてきたが,現在ヒスパニック,アジア系の合法,非合法の移住者急増傾向への対策が検討されている。

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