稲荷山(読み)イナリヤマ

デジタル大辞泉 「稲荷山」の意味・読み・例文・類語

いなり‐やま【稲荷山】

京都市伏見区、東山丘陵南端の山。標高239メートル。西麓稲荷神社がある。[歌枕
「―みな見し人をすきずきに思ふ思ふと知らせてしかな」〈曽丹集

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精選版 日本国語大辞典 「稲荷山」の意味・読み・例文・類語

いなり‐やま【稲荷山】

京都市伏見区にある東山三十六峰の南端の山。ふもとの西側稲荷神社(伏見稲荷大社)がある。標高二三九メートル。山城国の歌枕。三ケ峰。御山。いなりのやま
曾丹集(11C初か)「いなりやまみな見し人をすきずきに思ふ思ふと知らせてしかな」

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日本歴史地名大系 「稲荷山」の解説

稲荷山
いなりやま

東山三十六峰の最南端の山。標高二三二メートル。一の峰・二の峰・三の峰があり、みつみねと通称される。

神奈備遺跡として知られ、全山が稲荷信仰の対象となっている。山城国に造都以前の先住の人々から神奈備信仰を継承した秦氏が、この地に稲荷社を建立したという。秦氏が稲荷山を祭祀の対象とした理由については、「山城国風土記」逸文に記されるところである。

稲荷山の三つの峰には各々古墳があり(稲荷山古墳群)、また一二世紀頃のものと推定される稲荷山経塚も発見されている。「百錬抄」寛喜二年(一二三〇)一二月二六日条に「小朝熊神鏡相共、神宮権禰宜盛康等下向勢州、年来之間、念阿弥陀仏奉稲荷山、被出之」と記されるのは興味深い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「稲荷山」の意味・わかりやすい解説

稲荷山
いなりやま

長野県千曲市(ちくまし)の一地区。合併による千曲市成立(2003)以前は更埴市(こうしょくし)の一地区。旧稲荷山町。千曲川左岸にあり、明治年間まで県下の一大商店街をなし、いまもそのおもかげが残っている。稲荷山温泉もある。しなの鉄道屋代(やしろ)駅からバス5分。

[小林寛義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「稲荷山」の意味・わかりやすい解説

稲荷山
いなりやま

長野県北部,千曲市更埴地区の中心市街地の一つ。旧町名。 1959年近隣町村と合体して更埴市となった。千曲川左岸,篠山山麓部を占め,北国西街道 (善光寺街道) が猿ヶ馬場峠を越えて長野盆地に入る玄関口にあたり,明治末期までは長野市と並ぶ商業勢力をもっていた。篠ノ井線開通や長野市の発展で寂れたが,往時をしのばせる土蔵造りの商家が軒を連ねている。

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デジタル大辞泉プラス 「稲荷山」の解説

稲荷山

宮城県岩沼市、作間屋菓子舗が製造・販売する銘菓。粒餡をカステラ生地ではさんだもの。

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世界大百科事典(旧版)内の稲荷山の言及

【更埴[市]】より

…長野県北部,長野盆地南端にある市。1959年更級(さらしな)郡稲荷山町,八幡村と埴科(はにしな)郡埴生(はにゆう)町,屋代町が合体,市制。千曲川をはさんで相対した両郡名から1字ずつとって市名とした。…

※「稲荷山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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