精選版 日本国語大辞典 「究竟」の意味・読み・例文・類語
く‐きょう ‥キャウ【究竟】
〘名〙 (「く」は「究」の呉音)
※法華義疏(7C前)一「為是究竟法者、問吾所レ証尽無生二智、為究竟、未二究竟一」
※三帖和讚(1248‐60頃)高僧「究竟せること虚空にして、広大にして辺際なし」
② (形動) 力や技術、技量などが非常にすぐれていること。くっきょう。
※金刀比羅本平治(1220頃か)中「主従三騎くきゃうの逸物どもにて」
③ (形動) 非常につごうが良いこと。絶好の機会。くっきょう。
※後鳥羽院御口伝(1212‐27頃)「卒爾の用にも叶ひて、究竟の事にてあるなり」
④ 「くきょうそく(究竟即)」の略。
※百座法談(1110)六月二六日「三身円満し、究竟妙覚のくらひにかなひ給へる」
くっ‐きょう ‥キャウ【究竟】
〘名〙 (「くきょう」の変化した語)
① 物事のせんじつめたところ。完全な域。究極の境地。つまるところ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② (形動) 武勇の力が強いこと。きわめて頑丈なこと。また、きわめてすぐれていること。
※平家(13C前)七「もとより究竟(クッキャウ)〈高良本ルビ〉の城也」
③ (形動) たいへんつごうのよいこと。あつらえ向き。
※太平記(14C後)二六「すはや究竟(クッキャウ)の事こそ有けれ。師直・師泰を讒し失はんずる事は、此の僧にまさる人非じと」
※浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四「金子廿両の預り手形。是究竟(クッキャウ)の物と悦び」
きゅう‐きょう キウキャウ【究竟】
〘名〙
① (形動) 事をきわめて、究極に達したところ。最高であること。また、そのさま。くきょう。
※新札往来(1367)上「源氏書籍者、紫明抄・水源抄。伊勢物語註者、経信卿知顕抄。究竟物候」
② (副詞的に用いる) つまるところ。結局。畢竟(ひっきょう)。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報