空中警戒管制機(読み)クウチュウケイカイカンセイキ

デジタル大辞泉 「空中警戒管制機」の意味・読み・例文・類語

くうちゅうけいかい‐かんせいき〔‐クワンセイキ〕【空中警戒管制機】

エーワックス(AWACS)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「空中警戒管制機」の意味・わかりやすい解説

空中警戒管制機
くうちゅうけいかいかんせいき
airborne warning and control system; AWACS

早期警戒機 AEW警戒警報任務とするのに対し,コンピュータの情報処理による監視,指令管制,通信の装置を有し高度を利用して目標を早期に発見し警報を発すると同時に,機上から迎撃作戦を指揮管制するもの。早期警戒管制機,エーワックス AWACSとも呼ばれる。その利点敵機の早期発見のほか,地上指揮所が核攻撃で破壊された場合でも生存し,指揮管制を続けられることにある。アメリカ合衆国のボーイングE-3セントリー,ロシアのベリエフA-50などがある。現代の航空戦に不可欠な航空機で,日本も航空自衛隊がボーイング 767を改造した空中警戒管制機を4機運用する。

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知恵蔵 「空中警戒管制機」の解説

空中警戒管制機

大型機の胴体の背に大きな皿型のレーダーを搭載、高空を長時間巡回して敵機の早期発見や迎撃機の指揮をする。地上のレーダーでは水平線の先、山の陰の目標は探知できないため、爆撃機、攻撃機は超低空で侵入する。この対策として飛行機にレーダーを積んで、上空から見張る空中早期警戒機が造られた。航空自衛隊は米空母用のE2Cを採用し13機を保有する。だが、E2Cは小型で5人乗り、航続時間は約6時間、乗員疲労が激しく信頼性もやや劣る。このため防衛庁は双発のボーイング767をベースにしたAWACSを採用し、1993、94年度に計4機を発注。98年3月から浜松に配備された。1機570億円という高価な飛行機だ。

(田岡俊次 軍事ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「空中警戒管制機」の意味・わかりやすい解説

空中警戒管制機
くうちゅうけいかいかんせいき

空中早期警戒管制機

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世界大百科事典(旧版)内の空中警戒管制機の言及

【早期警戒機】より

…1976年9月6日に発生したMiG25事件では,ソ連のミコヤンMiG25戦闘機が日本近海で急激に降下し,自衛隊の地上レーダーで監視できない超低空で侵入して函館空港に強行着陸したが,早期警戒機はこの例のように低空侵入する航空機やミサイルを探知するために有効な手段である。アメリカ空軍は1952年にロッキードCH121型輸送機にレーダーを搭載して早期警戒機の運用を開始し,その後,低空目標の探知能力に優れたレーダーを搭載するAWACS(エーワツクス)(airborne warning and control systemの略)機(空中警戒管制機)としてのボーイングE3A型機を77年から部隊で運用している。これは,低空を侵入してくる航空機を早期に発見する能力のほか,自軍の戦闘機などに対し指揮管制する能力を持つ。…

※「空中警戒管制機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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