空知(支庁)(読み)そらち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「空知(支庁)」の意味・わかりやすい解説

空知(支庁)
そらち

北海道中西部の石狩(いしかり)川中・下流域、およびその支流である雨竜(うりゅう)川、空知(そらち)川、幾春別(いくしゅんべつ)川、夕張(ゆうばり)川、江別川の各流域一帯に位置する町村を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって空知総合振興局に改称・改組された。旧空知支庁の所管区域は南幌(なんぽろ)、奈井江(ないえ)、上砂川、由仁(ゆに)、長沼、栗山、月形浦臼(うらうす)、新十津川(しんとつかわ)、妹背牛(もせうし)、秩父別(ちっぷべつ)、雨竜、北竜、沼田、幌加内(ほろかない)の15町で、支庁所在地は岩見沢市(いわみざわし)。原則として市域は所管外であるが、夕張、岩見沢、美唄(びばい)、芦別(あしべつ)、赤平(あかびら)、三笠、滝川砂川歌志内(うたしない)、深川の10市を含む地域を意味する場合もあり、また実務上も10市を含めて管内とされることが多かった。

 東は夕張山地、北は天塩(てしお)山地、西は増毛(ましけ)山地に及ぶ。平野部は石狩川氾濫原(はんらんげん)で蛇行が著しく、沿岸はしばしば洪水の害を被り、美唄原野はじめ多くの泥炭地原野が連なり低生産地帯であった。しかし河川改修と土性改良が進んだ結果、生産力が高まり北海道最大の米作地域に変貌(へんぼう)した。夕張山地の西部は豊富な石炭を埋蔵し、明治以降の炭鉱開発で人口増加をきたし、夕張はじめ多くの炭鉱都市が成立した。しかし、1960年代以降の石炭不況で炭鉱都市の著しい人口減を招いた。1990年代なかばまでには、大炭鉱は姿を消し、かつての炭鉱都市の衰退のなかで、管内の交通要衝である岩見沢、滝川の両市は商業都市として着実な歩みを示している。

[柏村一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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