空門(読み)クウモン

デジタル大辞泉 「空門」の意味・読み・例文・類語

くう‐もん【空門】

仏語
一切を空と考える大乗仏教の教え。転じて、仏教総称
天台宗四門しもんの一。真理を知るための四つの教えのうち、空を説くもの。
三解脱門の一。一切は空と悟ること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「空門」の意味・読み・例文・類語

くう‐もん【空門】

〘名〙
① 仏語。一切を空と説く大乗仏教の法門。転じて、仏教の総称。
扶桑集(995‐999頃)七・重次群字〈源英明〉「空門何必師羅漢。証地終知至法雲」 〔大智度論‐一八〕
② 仏語。有、空に関する四句分別の論法による、その一つ。有と執する迷情を破して、空を説くもの。⇔有門(うもん)
※米沢本沙石集(1283)四「或は有門或は空門(クウモン)、定まれる准(ゆい)なくして各一門を立て給へり」
③ 仏語。三解脱門の一つ。一切は空と悟ること。〔釈氏要覧‐上〕
人影のない門。
※本朝無題詩(1162‐64頃)一〇・冬日雲林院即事〈藤原周光〉「雲意若知吾素意。空門可許卜幽栖」 〔張祐‐題恵山寺〕

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