精選版 日本国語大辞典 「突厥語」の意味・読み・例文・類語
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突厥時代に建置された突厥碑文やウイグル帝国時代の碑文,さらにはエニセイ川流域のエニセイ碑文などに突厥文字を用いて刻まれたチュルク語のことを一般に突厥語と呼んでいる。これらの碑文は,チュルク諸語文献中最古のもので,突厥語は古代チュルク語の主要な部分を構成している。突厥語は,言語資料としては量の多いものではないが,チュルク語史やアルタイ語比較研究にとってはきわめて重要な役割を果たす。しかし,文字体系上,理解の難しい部分もあって,まだ十分な言語学的記述はできていない。現代チュルク諸語の中では中央アジアに位置する(新)ウイグル語,ウズベク語,キルギス語などと近親関係にあるといえる。突厥語を表記した主要な碑文がオルホン川旧流域に建置されていたことから,この言語をオルホン・チュルク語とも呼ぶ。また,単に碑文チュルク語や,ルーン文字チュルク語と呼ぶこともある。
執筆者:庄垣内 正弘
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