デジタル大辞泉
「突棒」の意味・読み・例文・類語
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つく‐ぼう【突棒】
〘名〙
戦国時代から江戸前期に、罪人を捕えるときに用いた三つ道具の
一つ。
撞木に似て
丁字形のもの。頭部を鉄でつくり、多くの歯をつけ、長い木製の柄をつける。江戸後期には、
自身番の前に置いたり、引き回しのときに持ち歩いただけで
実用にはしなかったとみられる。〔
文明本節用集(室町中)〕
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)八「突て捕れ巻いて捕れ、つく棒
(ボウ)よ刺又よと騒ぎにつれて
徳兵衛も」
つき‐ぼう【突棒】
〘名〙
① つきかためるのに用いる棒。
※いつか
汽笛を鳴らして(1972)〈
畑山博〉二「板枠に詰めた紙くずを突き棒で突いて固めている」
つきん‐ぼう【突棒】
〘名〙
突棒漁業(つきんぼうぎょぎょう)のこと。また、それに用いる銛竿
(もりざお)。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
突棒
つくぼう
おもに江戸時代に罪人を逮捕するために用いた長柄(ながえ)の寄道具(よりどうぐ)と称された武器の一つ。室町時代から始まり、『文明(ぶんめい)本節用集』にもみえ、『洛中(らくちゅう)洛外図屏風(びょうぶ)』(上杉家本)に描かれる。近世以降は刑事にかかわる武器として、刺股(さすまた)、袖搦(そでがらみ)とともに、捕物の三つ道具、また番所の三つ道具として、検断の役所に常備された。長い柄の先をT字形の鉄製として、鉄釘(てつくぎ)を植えてある。鉄把(てっぱ)、撞木(しゅもく)ともいう。
[齋藤愼一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
突棒
つくぼう
江戸時代の捕物道具。鉄把ともいう。長いかしの棒 (6~7尺) の先に1尺~1尺2寸の横棒を固定し,棒の先には鉄針をたくさん植え,横棒にも鉄針をたくさん植えた鉄板を打ちつけ,この棒で相手を押えつけた。さらにこの横棒の両端には,なぎなたの刃のようなものが内側に向けて付けてあり,この突棒から逃れられないようになっていた。捕物三つ道具 (→刺股 , 袖搦 ) の一つ。 (→捕手術 )
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世界大百科事典(旧版)内の突棒の言及
【三道具】より
…江戸時代における犯罪者逮捕のための3種の武器(図)。袖搦(そでがらみ)(錑(もじり)),突棒(つくぼう),刺股(さすまた)をいう。いずれも長柄の捕道具(とりどうぐ)で,激しく抵抗する犯人を取り押さえるのに,六尺棒,梯子(はしご)などとともに用いた。…
※「突棒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」