窈窕(読み)ようちょう

精選版 日本国語大辞典 「窈窕」の意味・読み・例文・類語

よう‐ちょう エウテウ【窈窕】

〘名〙 (形動タリ)
① しとやかで奥ゆかしいさま。美しくたおやかなさま。上品なさま。また、そのような美女
懐風藻(751)七夕山田三方〉「窈窕鳴衣玉、玲瓏映彩舟」
太平記(14C後)二二「三千の美人君の命に依て戦ひを習はす戦場へ出たれども、窈窕(ヨウテウ)たる婉嫋、羅綺にだもたへざる体(てい)なれば」 〔詩経周南関雎
山水などの奥深いさま。
※三体詩素隠抄(1622)二「詩のこころは、松桂の、しげりたる中に、ある寺なれば、窈窕と、をくふかふして、一点塵埃をも、ひくことは、ないぞ」 〔陶潜‐帰去来辞〕

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デジタル大辞泉 「窈窕」の意味・読み・例文・類語

よう‐ちょう〔エウテウ〕【××窕】

[ト・タル][文][形動タリ]美しくしとやかなさま。上品で奥ゆかしいさま。「窈窕たる淑女」
「そこには一種のなんとなく―たる雰囲気があった」〈寅彦・自由画稿〉
[類語]みやびやか優雅優美みやび高雅典雅風雅優形やさがた上品ゆかしい奥ゆかしいしとやかたおやか女性的エレガントドレッシー女らしい女女めめしい女くさい女振り女っ気婉麗えんれい優優典麗麗しい静淑優婉閑雅婉然楚楚そそ端麗温雅物柔らか気高い気品雅趣高尚つつましいつつましやかしおらしい清雅高踏雅致﨟長ろうたけるみやびる端雅都雅やんごとない高貴

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普及版 字通 「窈窕」の読み・字形・画数・意味

【窈窕】ようちよう(えうてう)

あでやかなさま。また、奥深いさま。〔後漢書列女、曹世叔の妻の伝〕(女誡、第五)入りては則ち髮を亂し形を壞(やぶ)り、出でては則ち窈窕として態を爲す。~此れを心を專らにし、色を正すこと能はずと謂ふ。

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