窮子喩(読み)グウジユ

デジタル大辞泉 「窮子喩」の意味・読み・例文・類語

ぐうじ‐ゆ【窮子喩】

仏語。「法華経信解品しんげぼんに説かれるたとえ。幼いころ家出し、流浪して困窮した子を、父の長者が見つけて雇い入れ、しだいに重用して最後実子であることを明かす。長者は仏を、子は声聞しょうもん縁覚えんがく二乗をさす。三界を流転する衆生を仏が哀れみ、初め方便を説き、やがて救いの大道を教えることをたとえたもの。長者窮子喩。→法華七喩

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精選版 日本国語大辞典 「窮子喩」の意味・読み・例文・類語

ぐうじ‐ゆ【窮子喩】

〘名〙 仏語。「法華経信解品(しんげぼん)」に説くたとえ。もと長者の子で、早くから親もとを離れて流浪し、落ちぶれていたのを、父の長者が見つけて、これを導き、長者の子としての自覚を与えたことを語るもので、長者は仏、窮子は声聞(しょうもん)のたとえ。釈迦はこれによって、みずから仏性を有することを忘れて、三界を流転している衆生をあわれみ、はじめに方便を説き、機の熟するのを待って無上の大道を教えるたとえとした。〔大蔵法数‐三九〕

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