竄入(読み)ざんにゅう

精選版 日本国語大辞典 「竄入」の意味・読み・例文・類語

ざん‐にゅう ‥ニフ【竄入】

〘名〙
① 逃げ込むこと。のがれ入ること。
東京朝日新聞‐明治三八年(1905)八月二〇日「竄入軍艦引渡の件は、未だ決せられざるが如し」 〔福恵全書‐刑名部・賊盗上・緝捕
② 入り込むこと。
小学読本(1873)〈田中義廉〉四「譬へば砂地に水を灌ぐときは、忽ち砂中に、水の竄入するが如し」
③ まちがって入りまじること。紛れ込むこと。
※近代批評の意義(1906)〈島村抱月〉「一旦斯くの如き意識の竄入を我等の心作用に許すときは」
④ 詩文中に、あとから書き加えた原作以外の文字や注が紛れ込むこと。
古典現代文学(1955)〈山本健吉〉物語における人間像形成「『昔人は、かくいちはやきみやびをなむしける』とは、もちろん後の竄入(ザンニュウ)であり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「竄入」の意味・読み・例文・類語

ざん‐にゅう〔‐ニフ〕【×竄入/×攙入】

[名](スル)
逃げ込むこと。
誤って紛れ込むこと。
「我々の間に―している哲学的虚無主義」〈啄木・時代閉塞の現状
本文中に不要な字句などが紛れ込むこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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