竹とんぼ(読み)たけとんぼ

改訂新版 世界大百科事典 「竹とんぼ」の意味・わかりやすい解説

竹とんぼ (たけとんぼ)

竹細工一種で,子どもの遊び具の一つ。遊びには,竹とんぼを作る創作の面と,それを飛ばし合って高さや滞空時間を競うという2面がある。作り方は,長さ10cm,幅1.5~2cmくらいに割った竹を,左右のバランスを配慮しながらプロペラ形に薄く削り,翼の部分とする。心棒は翼に対して1.5倍くらいの長さにし,丸細く削って翼の中心部に直角にさす。これが一般的な竹とんぼである。そのほか,翼の中心に左右二つの穴をあけ,心棒の先端をふたまたにしてその穴に入れ,心棒を回転させて翼だけを飛ばすもの,心棒の受け竹を作り,心棒に巻きつけた糸を引くことによって心棒を回転させ,翼だけを飛ばすようにくふうしたものもある。創始はつまびらかでないが,江戸後期ころの竹とんぼを売り歩く行商人の絵が,《江戸と東京風俗野史》に描かれているところから,当時すでに行われていたことは明らかである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「竹とんぼ」の意味・わかりやすい解説

竹とんぼ
たけとんぼ

竹をプロペラ状に削って、その羽根の重心部に軸をつけた飛行玩具(がんぐ)。竹軸を両手のひらでぐるぐる揉(も)み回し、その反動で羽根を回転させ、飛ばして遊ぶ。江戸時代、享保(きょうほう)年間(1716~36)の発生ともいい、一説には、安永(あんえい)年間(1772~81)に平賀源内が考案したともいう。明治以降も手製で遊べるので子供に愛好され、小学校の工作時間などにも登場している。小物玩具としても商品化され、明治30年代からブリキ製も現れた。軸の先が二またになっていて羽根だけが飛ぶものがあり、これには四枚羽根の周りに輪をつけたものがある。縁日露店などでも売られているが、第二次世界大戦後はプラスチック製のものも出回っている。

[斎藤良輔]

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デジタル大辞泉プラス 「竹とんぼ」の解説

竹とんぼ〔けん玉の技〕

けん玉の技のひとつ。玉をけんにさした状態から、玉に横回転をかけてけんから放り上げ、落下してきた玉を再度けんで受ける。2000年、日本けん玉協会により「けん玉の技百選」に選定された。

竹とんぼ〔曲名〕

日本のポピュラー音楽。1998年発売。歌と作曲シンガーソングライター、堀内孝雄。作詞:荒木とよひさ。テレビ朝日系で放送のドラマ「はぐれ刑事純情派」の主題歌。

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