竹の節(読み)たけのふし

精選版 日本国語大辞典 「竹の節」の意味・読み・例文・類語

たけ【竹】 の 節(ふし)

① 竹の幹にあるくぎり。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
※金刀比羅本平治(1220頃か)上「大なる竹(タケ)の節(フシ)をつきて弓を入させたり」
② 主として脇障子の上に設ける欄間(らんま)親柱。竹の節状のくびれをつけたもの。また、竹の節欄間のこともいう。
※匠明(1608‐10)殿屋集「竹の節 太さは柱十面の内を、又十を二割、弐分おとしてすべし。同たつの割用は七つ半と云共、八つ割、下の節壱分。但ふしを小さと云り」
③ 子どもの髪の結い方の一つ。江戸末期から明治初期にかけて町方の男児髪形。元結でまげを二か所結ぶもの。〔楽屋図会拾遺(1802)〕
※後開榛名梅香(1875)〈三遊亭円朝〉一「年ごろ十五六の小僧が髪を竹(タケ)の節(フシ)といふ若衆に結ひ」
④ 女性の髪の結い方の一つ。
随筆・飛鳥川(1810)「女の子は〈略〉竹のふしといふにも結び、是は其頃も見苦しき也」
⑤ 女性の髻(もとどり)に差した中差しの一つ。
※随筆・守貞漫稿(1837‐53)一一「竹之節 此竹節の如きは笄に近く簪とは云ず。是等形笄なれども江戸今俗は専ら中差と云也」
⑥ =たけふ(竹節)〔書言字考節用集(1717)〕

たけ【竹】 の 節(よ)

竹の節(ふし)と節との間の中空部分。竹の筒。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
古今(905‐914)雑下・九五九「木にもあらず草にもあらぬ竹のよのはしにわが身はなりぬべら也〈よみ人しらず〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「竹の節」の意味・読み・例文・類語

たけ‐の‐ふし【竹の節】

竹の幹にあるくぎり。
脇障子わきしょうじなどの上に用いる欄間飾り。親柱の上下玉縁とよぶ水平材を架け渡し、間にさんをたすき状に入れたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android